みんな知らない保証人の落とし穴

インターネットで「借金 保証人」を検索するとTOPに自己破産や大ピンチといったワードが出てきます。これらから、借金の保証人になること=悲惨というイメージがわかります。

とある実例をみていきましょう。

ある日、Aさんは大学時代の友人のBと居酒屋で酒を飲んでいました。

Bさん
今度、知り合いのCさんから10万円借りるんだ…すぐ返せるから一応、保証人になってくれない?
A さん
Bの頼みならしょうがないから保証人になってもいいよ!

後日、Bが持ってきた未記入の借用書に署名と押印をしました。

A さん
何にも書いてないけど、署名と押印して良かったの?
Bさん
これから書くから気にしなくて大丈夫だよ!

といってきたので気にせずそのまま解散しました。

後日、Aは仕事中に携帯が鳴ったのでディスプレイを見ると知らない番号からでした。電話に出ると、Bの知り合いと名乗るCからの電話でした。

Cさん
Bに200万円貸してやったんだけど、よく保証人になったよね!Aさん金持ちなんだ!
A さん
Bがあなたに借りるといってたのは10万って聞いてたんですけど!
Cさん
いやいや、Bには最初から200万借してくれって頼まれてたよ!

Aは、Bが親友の自分にうそをついて10万円ではなく200万借りていたのをはじめてここで知ったのでした。

保証人を免れることはできるのか?

Freedom.

 

Aさんは、Bさんから未記入の借用書に対して署名と押印をしましたが、未記入について細かく言及することはしませんでした。この場合…表見代理とみなされてしまえば保証人を免れることは難しいです。

表見代理

代理権のない者が代理行為をした場合のうち、その者と本人との間に一定の関係があり、相手方がその者を本人の正当な代理人と誤信して取引などが成立したときは、代理権がないにもかかわらず、その代理行為を有効とする制度。

引用:三省堂 大辞林

実例を交えて簡単に説明すると、Aを本当の保証人と信じて取引したCを保護するための制度です。それは、どんなにAがBにだまされたとしてもCとの取引では無関係ということです。Aは、どのような状況になっても最後まで保証人として義務を行わなければいけないのです。

これらの条件を整理すると、民法95条1民法96条2民法109条3民法110条4によりAが保証人を免れるのは難しいと考えられます。

世の中には、他人に優しい思いやりのあふれる素敵な人たちがたくさんいます。しかし、そういった人を利用して保証人にさせようと考える人が後を絶ちません…

「親しき仲にも礼儀あり」といいますが、親友や家族に「お金を借りたいから保証人になってくれ」と頼まれたらまずは、優しさではなく断るべきです。そうしなければ、自分の身を滅ぼすことにつながります。


解説記事一覧

  1. 民法95条 錯誤 
  2. 民法96条 詐欺や強迫
  3. 民法109条 代理権授与の表示による表見代理
  4. 民法110条 権限外の行為の表見代理

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