会社の不正を告発したらどうなる? 内部告発のリスクとは

漫画やアニメ、ドラマなどでよく見る悪しきをくじき、正しきを助けるという物語が、この世の中にはたくさん存在している。しかし、現実社会でヒーローのように悪を懲らしめることは、必ずしも救われるとは限らない。

2016年4月25日放送のテレビ東京未来世紀ジパングという番組で、「バッグにパスタ・・・イタリアが激変!意外な日本の商機」というタイトルの特集が放送された。番組内の一部で、Gucciの下請け工場で働いていたバッグ職人のアロルド・グイドッティさんが、Gucciに対して内部告発を行ったという内容が放送された。アロルドさんは、Gucciがブラック企業化していて、外国人(中国人など)の労働者をひどい労働環境で働かせて不当な利益をあげているということを告発した。

彼は、「今のmade in Italyはかつてのmade in Italyではない。真のmade in Italy を取り戻すために内部告発に至ったのだ」という。

この内部告発の後、彼はイタリアのバッグ業界から追放され、家族や居住地まで失った。

正義の為に立ち上がった彼の手元には、結局何も残らなかった……

彼が人生をかけて行った内部告発という行為には、果たして意味があったのだろうか?

 

後日談として、アロルドさんが自分の働いていた工場の様子を見に行く事があった。 そこで彼が目にしたものは内部告発前と何ら変わりのない、外国人(中国人など)の労働者がひどい労働環境で働いている状況であった。

 

結局、彼の内部告発で Gucci が変わることなかった。彼の内部告発は実質無意味なものだったのである。

 

このように、外国では内部告発に大きなリスクがある。…さて、日本でもやはり同様に大きなリスクがあるのだろうか?

日本の報復人事はいかほどか?

今日の日本では、ブラック企業大賞といったものがあり、ブラック企業の存在が数多く公開されており、社会的にブラック企業の存在を排除しようとしていることが見受けられる。(それでもブラック企業はゴキブリのようにしぶとく生きて行くのだろうが…)

そんな時代だから、今後日本でもアロルドさんのように内部告発を行う人間が出てきてもおかしくはない。

では、日本で内部告発を行うとどうなるのでしょうか。法律的観点から見てみましょう。

法律的に見る内部告発(公益通報者保護法)

日本では、2004年以降公益通報者保護法 により内部告発者の保護を明文化し、報復人事による解雇を無効としています。また、内部告発による減給などの不利益取り扱いも禁止されました。

上記のように、日本において内部告発者を保護する法整備はある程度整っていると言っていいでしょう。

しかし、法的に守られているとはいえ、内部告発後の会社の居心地の悪さや、精神的なストレスが発生する可能性は排除できません。

社内でのいじめや、不平等に多い or  少ない業務を任されるなど、仕事の中で脱法的かつ組織的にあなたを攻撃する可能性もあります。法が整っているからとはいえ、軽い気持ちで内部告発をするべきではないでしょう。

それでも今後、ブラック企業がひたすら増加していく日本の中で、きっと多くの内部告発が発生するでしょう。そしてあなたにとっても、内部告発が自分をそしてあなたの所属する企業救う場面もあるかもしれません。法の準備は整っています。後は、あなたの選択次第です。

またいくら法律が後ろ盾にあるとはいえ、リスクは最小限にとどめて置くべきでしょう。

内部告発しなければならない!とあなたが思い至ったときは、十分な人数の味方をつけて行動するなり、転職先を見つけて仕事をやめても大丈夫な状態にしておくなり、よくよく思慮の上で行うのが良いと思います。

自分の人生をかけた告発を行う覚悟はできていますか?

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