法律ストーリー

未成年飲酒や浮気は犯罪じゃない? 犯罪者の定義とは

ワタナベ

先生! こんにちは!

先生

ワタナベさんお久しぶりです。
ギャンブルの件以来ですね。
あれ以降、旦那さんのギャンブル癖はいかがです?

ワタナベ

その節はどうもありがとうございました。
いえね、ラスベガスのカジノが日本人にとっても犯罪でないと教えていただいたので、私も善良な市民としてラスベガスに行ってきましたの!
楽しいものねギャンブルって!

先生

ハマりそうだなぁ・・心配だ・・

先生

そうでしたか・・・(笑)
くれぐれも、ギャンブル依存症には気をつけてくださいね。
それで、今日はどうされました?

ワタナベ

いえね、先日、娘の友達が未成年飲酒で学校から注意されたらしいのですが、これって、犯罪ですよね。法律でも禁止されますし。
娘が犯罪者の友達だなんて・・・ 善良な市民として、とても我慢ができないのです。
娘が犯罪者に関わらないためにも、どうにか逮捕して貰いたいのですが。。

先生

なるほど。わかりました。
失礼ですが、まず最初にワタナベさんの誤りを正す必要がありそうです。

ワタナベ

誤り?私が!?
何が間違ってるって言うの!?

未成年飲酒は未成年者の犯罪ではない

先生

まず、未成年者が飲酒によって逮捕されることはありません。
未成年の飲酒は未成年飲酒禁止法で禁止していますが、未成年者に対しての処罰は規定されていないのです。

ワタナベ

あらそう、そうなのね。
逮捕は無理でも、犯罪者は隔離してほしいわ!
犯罪者」なのよ?

先生

ワタナベさん、落ち着いてください。
娘さんのご友人を「犯罪者」と断言してしまうのは少し誤解を招く表現かもしれません。

ワタナベ

何が問題だっていいたいの?
法律に違反したんだから犯罪者でしょ?

先生

一般的にはそれが正しい場合もあるかもしれません。
しかし法律上では、犯罪とは法律にもとづいて処罰される行為を言います。
処罰を受けない場合は、「違法行為」や「不法行為」とするのが正しい表現でしょう。

先生

そして、今回のケースで「犯罪者」に当たるのは、下記の人物になります。

今回罪に問われる可能性がある人物

  • 制止しなかった親や監督者
  • お酒を販売したお店と関係者
先生

ちなみに余談ですが、不貞行為(浮気)など民法で制限される行為も、
民事上の不法行為」にあたりはしますが、法律的な犯罪には当たりません。

ここがポイント!

  • 犯罪とは処罰を科される行為のこと
  • 犯罪者と行為者が違うこともある
  • 民事上の不法行為も犯罪には当たらない(逮捕できない)
ワタナベ

そ、そうだったのね。
でも、法律を破って誰かに迷惑をかけているのだから、犯罪者扱いされてもしかたないと思うわ!
法律的に正しい言葉を使わなきゃいけない決まりなんて無いでしょう!!

先生

そうですね。
必ずしも正しい言葉を言う必要はありません。
当然ですが、間違った言葉を使う事自体、法律でも制限されていません。

先生

しかし例えば、「容疑者」と「犯人」を誤用することで、罪のない人間が非難を受けたり、 「罪のない子供」が「犯人」扱いされて、差別を受けるのは見るに耐えません。
また、相手が不当な侮辱だと受け取った場合、ワタナベさんが「犯罪者」になる可能性も否定できません。

先生

例えば今回のお話の場合、
「子どもたちが飲酒したことで、親やお店が処罰を受ける可能性がある」ことが、最も重要な認識すべき事実です。

ワタナベさんが、今後娘さんと犯罪者が接触するのを防ぎたいのであれば、
お友達の親御さんや、お酒を販売した店舗に、徹底した管理を訴えてはいかがでしょうか。

ワタナベ

・・・なんだか言いくるめられた感じね。でも勉強になったわ。
娘の友達がしたことは間違っているし、非難すべき行為だけれど、
「犯罪者」呼ばわりしては、私が侮辱罪に問われかねないわね。

先生

おっしゃるとおりです。
たとえ過失だとしても、ワタナベさんが「犯罪者」になる結果だけは避けなければなりません。

ワタナベ

・・ありがとう。
でも、なんかムシャクシャするから、学校に文句行ってくるわ。
その子達、学校の休み時間に飲酒してたらしいのよ。
監督責任は学校にあるわよね。

先生

はい、その場合であれば学校側には大きな責任があると見ていいでしょう。
再発することの無いよう、頑張ってください!

登場人物プロフィール

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