民法第643条(委任)の解説

委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。 wikipedia: 民法第643条

解説

弁護士に事件の弁護を依頼する場合が、典型的な委任契約。ただし法律行為でない事務の依頼についても委任契約の規定が準用される(656条、準委任という)。 wikipedia: 民法第643条
法律行為を弁護士に依頼する場合に644 ~

第644条 受任者の注意義務

受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。

解説

委任を受けた受任者には、プロとして十分な注意をもって業務を実施する義務がある。
作業しなければならないときに業務を怠慢したり、委任者(依頼人)の必要な求めに応じなかったりした場合に義務違反となる。

第645条 受任者による報告

受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。

解説

受任者は、依頼人の求めに応じて業務の結果・進捗状況を報告しなくてはならない。

第646条 受任者による受取物の引渡し等

  • 受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。その収取した果実についても、同様とする。
  • 受任者は、委任者のために自己の名で取得した権利を委任者に移転しなければならない。

解説

受任者は依頼人の代わりに行動した結果として、依頼人以外から報酬や権利を獲た場合、依頼人にその報酬や権利を渡さなければならない。

第647条 受任者の金銭の消費についての責任

受任者は、委任者に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。

第648条 受任者の報酬

  • 受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。
  • 受任者は、報酬を受けるべき場合には、委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができない。ただし、期間によって報酬を定めたときは、第624条第2項の規定を準用する。
  • 委任が受任者の責めに帰することができない事由によって履行の中途で終了したときは、受任者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。

解説

受任者の報酬請求権についての規定。

  • 委任契約は原則無料で行うものであり、報酬を請求するためには契約書に明記する必要がある。
  • 報酬の請求を受ける場合でも、業務が終わった後でないと請求できない。
  • 受任者の責任で契約が中断した場合でも、業務の完成割合によって報酬を請求できる。

第649条 受任者による費用の前払請求

委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない。

解説

委任された業務に費用がかかる場合は、依頼人に前払いの請求ができる。

第650条 受任者による費用等の償還請求等

  • 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。
  • 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる債務を負担したときは、委任者に対し、自己に代わってその弁済をすることを請求することができる。この場合において、その債務が弁済期にないときは、委任者に対し、相当の担保を供させることができる。
  • 受任者は、委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは、委任者に対し、その賠償を請求することができる。

解説

受任者は業務のために必要となった費用を依頼人に請求できる。

第651条 受任者による費用等の償還請求等

  • 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
  • 当事者の一方が相手方に不利な時期に委任の解除をしたときは、その当事者の一方は、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。

解説

委任契約は、依頼者も受任者どちらからでも解除できる。
相手の片方が不利なタイミングで解除する場合は損害賠償を支払う必要がある。

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