元号法および新元号制定までの要点概説

約200年ぶりに天皇陛下が生前退位をされることに伴い、平成という時代が終わりを告げようとしています。この次の元号が何になるのかはまだ発表されていませんが、一体どのような過程を経て誰が決定するか、皆さんはご存知でしょうか?

元号についての法律

元号の決定については1979年に制定された元号法に「元号は政令で定める」と規定されているため、政府がその決定に携わります。
まずこれまでの日本の歴史上の元号と被らないように調査が行われ、国文学者や大学教授などの有識者が集まり新元号についていくつかの候補が出されます。その後閣議の承認を経た上に、衆参両議院の議長に確認を取ることで、国民全体の合意を得たことになります。そして、ここまでの手続きを経た後にようやく新元号が決定するのが大まかなフローです。

ちなみに昭和から平成への改元時は、元号案を古典や漢字の専門家に依頼し、最終的に「平成」「正化」「修文」の3案が残りました。昭和天皇が崩御された後、当時の日本新聞協会会長、NHK会長など8名から成る「元号に関する懇談会」を経て閣議決定しました。

元号制定の条件

また、元号の決定においてもいくつか条件が存在し、こちらも先述の元号法に下記のように規定されています。

  1. 国民の理想としてふさわしいようなよい意味を持つものであること。
  2. 漢字二字であること。
  3. 書きやすいこと。
  4. 読みやすいこと。
  5. これまでに元号又はおくり名として用いられたものでないこと。
  6. 俗用されているものでないこと。

2018年12月現在では進元号についての案はまだ何も出ていませんが、新元号が現元号の平成や、これまでの昭和や明治などとアルファベットの頭文字が被ってしまうと書類上で混乱が発生する可能性が高いです。それを踏まえると平成の「H」、昭和の「S」、明治の「M」、大正の「T」が頭文字に来ないものが、新しい元号になると推測されます。これら全て兼ね備えながら、なおかつ国民からも異論の出ないものはなかなか見つけにくく、元号の選定には多くの時間がかかると見込まれます。

改元に向けて

2017年12月8日の閣議にて、今上天皇の退位日が2019年4月30日に決定となりました。翌日5月1日には皇太子殿下が新しい天皇に即位することになるので、その日から新しい元号が施行されます。政府は2019年5月1日の改元に向けて、同年4月1日以降に新元号を公表する旨を明らかにしています。

この機に、改めて元号をはじめとする日本の文化について一考されてみてもよいのかもしれません。

<参考文献>
鈴木洋仁(2017)『「元号」と戦後日本』青土社.

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